朝陽に輝く水平線がとても綺麗なみかんの丘のある町のバナナ
朝陽に輝く水平線がとても綺麗なみかんの丘のある町のバナナ
福島県広野町
“フルーツ王国ふくしま”で、
夢と希望がつまった
南国のフルーツが実る

福島県は各地で桃や梨、リンゴ、ブドウなど、
豊富な種類が実る全国でも有数のフルーツの産地。
そんなフルーツ王国に「バナナ」が加わります。

バナナは誰もが知る南国のフルーツ。主な産地はフィリピンやインドネシア、台湾など温暖な気候の地域。日本でも栽培されているものの、ごく限られた地域のみで、ましてや東北・福島では栽培されてはいませんでした。ここ広野町は県内では比較的温暖な気候ですが、バナナの栽培には適していません。しかし、震災以降休止中だった二ツ沼総合公園内フラワーセンターにある、およそ800平方メートルの園芸ハウスを利用し、亜熱帯に近い環境を整え、2018年9月に町と住民の希望となる150株の苗が植えられました。
町の夢と希望を託されたバナナの苗はぐんぐんと成長し3メートルを超えるほどに。
そして2019年8月、関係者の苦労と努力が実を結び、初めての収穫を迎えることができました。

厳しい条件を耐え抜く「奇跡のバナナ」に、
震災後の福島の姿を重ねる

ビニールハウスと言えど南国のバナナを栽培することは困難。しかし田中節三氏が開発した、バナナの苗に氷河期を疑似体験させる「凍結解凍覚醒法」という特殊な技術により、広野町でもバナナの栽培が可能になりました。この農法を用いることで、苗は耐寒性がつきます。疑似体験による氷河期を乗り越えたバナナは、震災を乗り越える福島の姿を映し出す鏡のようです。

コンピューター制御で、
完成された味になる

青いまま収穫されたバナナは温度と湿度が管理された「室(むろ)」と呼ばれる専用の追熟設備のなかで、熟成を促すエチレンガスで満たされ、黄色く色づいていきます。 追熟の期間はおよそ 5~6日。室に入れた直後は 20~22℃に温度を上げ、それから徐々に 13℃くらいになるまで下げていきます。 13度を下回ると低温障害を起こし、皮が変色したり熟成が進まなくなってしまうため温度管理が重要となります。 さらに熟成期間の温度をコントロールすることで追熟や糖度の度合いを変えることが可能になるため、バナナの熟成はコンピューターにより完全に制御されます。 「綺麗」は、台湾バナナの系統である「グロスミッチェル種」をもとに作り出したオリジナルの品種。糖度が高めでクリーミーかつ濃厚な味わいが特徴です。 また各種ポリフェノールや必須アミノ酸を豊富に含み、エネルギー代謝に欠かせないビタミン B 群も豊富に含まれています。さらに 皮には栄養がたっぷり含まれ、まずはそのまま食べることをおすすめします。